JBL E110-8を手放したので悔し涙の独り言(浪花克治記)(H16.03.08)

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このE110の主要用途はミュージカル・インスツルーメント用となっています。が。

その昔、D130(38cm径)に始まるDシリーズがダストキャップにアルミドームを採用して独特の軽やかなトーンキャラクターとともに一斉を風靡しました。

E110はこの流れを汲むユニットです。即ちオールマイティフルレンジとして皆さんにご紹介申し上げます。自信を持って!今ごろおそいっつーの!

私もD130を買った1人です。(E110やE120ももっていました、D208も、何だ全部じゃないか)

このD130はオーディオ用としても(フェンダーのショーマンには採用バージョンがありました)ハークネス(バックロードホーンキャビ)や、C38バスレフ型ボックスに入ったシステムなど、多くのバラエティーシステムを形成していました。それぞれツィータは175DLH,075でした、と記憶してます。 また、小口径バージョンではD208(20cm)などがLE8Tの高効率バージョンとして存在していました。 一方でDタイプの25cm径のユニットは最近(といっても20年もなりますかね~{←実は30年前と「無線と実験」の桂川氏からご指導いただきました。その内容は、E110の前進の2120は既にこの頃から市場にでてたとのことです。で、私が大学生の頃、同じレコード音楽研究会の友人が428でしタッケ?Altecの38cmフルレンジ・アルミセンタードーム付を825に入れたのは、大学生の3回生の時だから60年代後半終わり頃ですね。})まで無かったように思います。 その訳はALTEC Lansing社が当時425というフルレンジを持っていたからでしょう。 このユニットは38cm、30cmと並び当時のミュージックシーンでの評価は出色、最高の音質、パワーハンドリングユニットとしてミュージシャンから絶対の信頼を得ていました。 このシリーズも実はオールマイティフルレンジユニットでした。なんにでも使いましたし、使えました。友人はA7にこの38cmをいれてジャズを楽しんでました。コッチのほうがガッツがあるなんぞといってましたっけ(前述の時期)。 しかし、コスト高(とにかく金のかかったユニットでした)による商品としての存在理由は希薄だったんでしょう。 '80年ごろ(実は70年頃)を境にフェードアウトしていったように記憶しています。老兵は死なずただ消え去るのみ、状態だったんでしょうか。いつ中止になったのかも定かには覚えていません。 こういう状況の中で、E110は誕生したんだと思います。 フレームはLE10Aがすでにあるし、小口径バージョンの経験はD208で蓄積しています。作らない手はありません。 でも高かったです、値段が。425より高かったんじゃないかと思います。こんなユニットを軽々しくギターアンプやらにはそのメーカーは採用できなかったんでしょう。殆どがリプレイスでした。 なもんで商品寿命はEシリーズ全体としても短かったんだと思います。でも15年は守ったんですからアメリカという国はなんてすごい国なんでしょう、と思ってしまいます。

こんな稀有なユニットですから、ギター、ベースアンプ用ともいえますし、PA用ともいえます。もちろんホームリスニング用のいわゆるオーディオ用としても立派なもんです。  ただ、JBLのEシリーズ(古くはDシリーズ)固有の音質傾向はもっています。これは消せません。 いわゆる西海岸ユニットの明るいきらびやかな、けれど、キメは細かい音質を持っていると感じています。   昔のいいユニットは本当になんにでも使えますね。コーン紙質量が軽いんで、晴れ晴れした気持ち良い音が再現できるようです。

組み込むエンクロージャーは背圧を逃がすタイプのバスレフで口径に比して少し大きめ:60リッター以上100リッターぐらいまででしょうか。ツイータを足したほうが良いように思います。3(2.5)k~7kHzクロスのものでしょうか。クラシックの場合はドームツィータ(感度が低いので丁度いい)、ジャズでは大き目のホーンツイータを低めの周波数クロスで使えるものも一興かと思います。   フルレンジ一発で済ますのなら35×60×30(外寸:50Lそこそこ程度)をお試しあれ。これはなにを隠そうC51or52の箱&山水のSP-LE8Tのサイズですじゃ。LE8Tには大きすぎと感じてました。スペックの概要はともかく注意すべき点を2~3、音圧レベル感度が異常に高い(98dBspl/1Watts/1m)のでローレベルの美しいアンプでドライブしないと、かさかさした音になりました。   これはなにを隠そう高いアンプということになりますが、19,800円の6BM8シングルの真空管アンプでも充分です。トランジスタアンプの場合、ダンピングファクタ調整用に0.5Ω~1Ω程度の抵抗(10Wぐらいのセメント抵抗などをアンプとスピーカの間に入れたほうがいい場合があります。いまさらですがお試しください。   私の友人がタンノイの15インチ(レキュタングラーヨーク)のドライブに同じようなリーズナブル真空管キットを組んで見事にならしこんでました。ちなみにタンノイの15インチの音圧レベル感度は口径の割には少なめです。が、それでも95~96dB/W/mはあるでしょう。   最近の広大な周波数レンジを誇るシステムと比べれば見劣りしますが正味60~8000Hz。  高音はこんなにでてないでしょうが、それでも中高音域のエネルギッシュなサウンドと低音の引き締まった音には圧倒されました。古いタイプのユニット特有の小音量時の周波数レンジのナローさや、ある音量から突如息を吹き返したように、朗々となり始める傾向は依然健在です。

こんな調子でキリガありませんが、今日はこんなところでやめときましょう。

また何かありましたら語り合いましょう。音って楽しいですね。 ではまた。(浪花克治記)