2004年NSCAショウレポート(森本雅記 記)(H16.04.26)

2004年3月19日より21日までの三日間、ネバダ州ラスベガスにあるラスベガスコンベンションセンターにおいて「2004年NSCAショウ」が開催された。

全米の音響/映像施工会社を対象にしたこの展示会は、昨年はテキサス州のダラスで、そして来年はフロリダ州のオーランドという具合に全米を巡回する形で開催され多くの展示と、ショウ期間中に開催されるセミナーに多くの入場者を集めている。

このショウのすぐ後で映画関係者を対象にした「ショウウェスト」が同じコンベンションセンターで開催されることもあり、両方を見学しようという関係者が多数いたが、米国においては一時の映画ブームが収まったこともあり、映画用の機器はあまり新製品は出てこないだろうというという前評判であった。

教会を対象とした設備は好況だということで、小型ラインアレイシステム、シーリング・スピーカーシステム、デジタル・マルチプロセッサのたぐいは多数展示されていた。しかし目新しい商品はまったくと言っていいほど出展されておらず、シーリング・スピーカーシステムの展示がやたらと目立っていたような気がする。今年はセキュリティ関連会社のエリアが特に設けられており、この分野のビジネスが伸びていることをうかがわせる。

 

従来の出展者に加え、アルテック・ランシングとQSCが新しいシーリング・スピーカーシステムを出展していた。
アルテック・ランシングの製品は他社と同じ一体型ではあるが、金属製のエンクロージャを使いUL適合を目指している。
QSCも同じ考え方を採用していた。

以前より展示されている製品ではあるが、SOUND TUBE社の製品が意匠的には面白かったが、地震が多い日本においてこのような形でそのまま吊り下げることは許されないと思う。ただ、真下の部分だけに音を聞かせる形式のスピーカーシステムは、博物館等の展示会場で効果を発揮する製品であると考える。

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イーブイアイオーディオグループは、新しいスピーカーシステムの他にパワーアンプをネットワーク上で動作設定、動作監視をおこなう「IRIS」システムを発表していた。 パワーアンプをスピーカーシステムに近づけて設置して調整室から離れて設置しなくてはいけない場合、スタジアムのように幾つかのアンプ室を設けなくてはいけない施設で大変有効である。 スピーカーシステムのインピーダンスを監視して、スピーカーユニットの動作状態も常に見ることができるということが他社製品には見ることができないメリットであろう。
エレクトロボイスのシーリングスピーカーシステムもデモ会場前面に展示されており、用途に応じて機材の選択ができることを強調していた。

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余談ではあるが、アルテック・ランシングが511Bセクトラルホーンを使用したA7 LEGACYを発表して会場の関心を誘っていた。コンシュマー(民生器)の市場を狙い他のいくつかの製品とともに発売をするとのことであるが、マルチ駆動に切り替えることができるネットワーク端子等いくつかの新機軸が加えられていた。先に発売された12インチDEシステムと合わせて、忠実なスピーチの再生が必要とされる市場に焦点を当てていた。  簡単にシーリングスピーカーシステムを取り付けることができる「SLCシリーズ」が二種類発表されており、高い能率を持ったシーリングスピーカをイメージ付けていた。(森本雅記 記)

 

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